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Mouse Dictionaryの使い方・設定・カスタム辞書

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Mouse Dictionary(マウスディクショナリー)は、Chrome / Firefox で英文にマウスを重ねるだけで訳が出る、無料のマウスオーバー辞書拡張です。

本記事では、Mouse Dictionaryの使い方・設定、カスタム辞書の追加手順を解説します。さらに、辞書としての強み、カスタム辞書でできること、カスタム辞書を使うべき場面、設定時の注意点、そして3ヶ月使って感じた「使い方は簡単だけど、引いた単語が覚えられない」課題まで整理します。

Mouse Dictionaryの使い方と設定を知り、英語学習に使える辞書ツールとして最適化したい人向けです。

Mouse Dictionary とは。0.1 秒で英単語を引ける無料の Chrome 拡張

Mouse Dictionaryは、開発者のwtetsuさんが個人で作った、Chrome / Firefoxで使える無料の英和ホバー辞書ソフトです。OSSとしてで公開されており、Firefox add-onsから無料でダウンロードできます。

使い方は単純で、英文上でマウスを動かす、または単語をダブルクリックするだけで、画面に小さなポップアップが表示され、その単語の日本語訳が読めるようになります。動作は高速で、サイトの読み込みを邪魔しない設計です。

私が 3 ヶ月使った範囲では、web 上で公開されている英文ブログ、ニュースサイト、Qiita や Zenn の英文記事、GitHub の README まで、ほぼあらゆる HTML テキストの上で動作しました。英文を読むのに最も軽快なマウスオーバー辞書の 1 つです。

ミニマルな UX、サイトに干渉しない動作、無料、オープンソース。この 4 点が Mouse Dictionary の強みだと感じました。

Mouse Dictionaryの設定:インストール直後にやること(カスタム辞書と使い方の前提)

Chrome 拡張版のインストール手順

Chrome ウェブストアで「Mouse Dictionary」を検索し、「Chrome に追加」ボタンを押します。表示される確認画面で「拡張機能を追加」を押すと、インストールが完了します。

ダウンロードと有効化に必要な操作はこれだけで、アカウント登録もメールアドレス入力も不要です。インストール後、Chrome のツールバーに Mouse Dictionary のアイコンが表示されます。

アイコンをクリックすると拡張機能が起動し、即座に使用可能な状態になります。

Firefox / Windows / Mac / Linux 対応

Firefox 版は Firefox add-ons サイトから download できます。Chrome 版と機能は同等です。

OS は Windows / Mac / Linux いずれでも、Chrome または Firefox が動作する環境であれば使えます。OS 固有のインストーラは不要で、ブラウザ拡張として配布されているため、環境依存はほぼありません。

Mouse Dictionaryの使い方:マウスオーバー表示の設定とカスタム辞書(基本操作)

マウス選択 / ホバーで瞬時に辞書を引く

英文上でマウスを単語の上に重ねる、またはダブルクリックで単語を選択すると、ポップアップが表示されます。表示までの時間は実測で約 0.1 秒、体感は「瞬時」です。

ポップアップには、選択した英単語の品詞、訳語、簡単な定義が表示されます。web ページ、サイト、英文記事、英文 email を表示している Gmail の画面など、HTML 上で文を読める場所であれば、どこでも同じように動作します。

私が業務で使っていた頃は、Confluence で書かれた英文の社内ドキュメント、GitHub の英語コメントなど、ほぼ全ての英文表示画面で 1 つのツールとして使えるのが便利でした。

Mouse Dictionaryの使い方:起動と終了、ショートカット設定とカスタム辞書

拡張機能アイコンをクリックすると、ON / OFF の切り替えができます。読み物に集中したいときは OFF、英文に切り替わるタイミングで ON、という使い方ができます。

設定画面からは、ポップアップの表示遅延、文字サイズ、配色を調整できます。長時間読むときは、表示を自分の目に合うように調整できるのが、じわじわ効いてきます。

Mouse Dictionaryの使い方:カスタム辞書設定で自分仕様にする

Mouse Dictionaryの使い方:標準データとカスタム辞書の必要場面

Mouse Dictionaryには、ejdict-handというOSSの英和辞書データがインストール可能です。収録語数は約12万語で、一般的な語彙ならひと通りカバーできます。

一方で、医学、法律、IT 分野の専門用語は ejdict-hand だと弱めです。私自身、米国でソフトウェア業界の英文ドキュメントを読んでいた頃、業界用語の訳が出てこなくて困った経験がありました。

Mouse Dictionaryの使い方:カスタム辞書(JSON / CSV)追加手順と設定

設定画面を開き、「辞書データの読み込み」から JSON または CSV 形式の辞書ファイルをアップロードします。アップロード 後は自動で索引が作成され、ホバー時に追加辞書から訳語を表示できるようになります。

無料で公開されているカスタム辞書としては、「ライフサイエンス辞書」(医学・生命科学領域)や、英辞郎派生のフリー辞書ファイルなどがあります。Qiita や個人 blog(non lig 系の制作支援系記事を含む)で、設定方法とリンク先が紹介されています。

辞書データを差し替えるときは、いったん既存の辞書をリセットしてから新しいデータを読み込むと、表示が混ざっておかしくなるのを避けやすいです。

Mouse Dictionary を 3 ヶ月使って気づいた構造的なギャップ

引けるけれど覚えられない、という問題

ここから先は私個人の使用レビューです。Mouse Dictionary を 3 ヶ月、毎日業務で使い続けた結果、ある時点でひとつの気づきがありました。

同じ単語を何度も何度も引いている自分がいました。引く は 0.1 秒で済むので、覚えていなくても困らない。引いて、その瞬間意味は分かる。そして数分後にはもう忘れている。翌日また同じ単語に出会って、また引く。

これは Mouse Dictionary の欠陥ではなく、マウスオーバー 型辞書ツール全般の構造的な性質です。「すぐ引ける」ということは、脳から見ると「覚える必要がない情報」になる、ということでもあります。

Mouse Dictionaryは、読解中に単語の意味を素早く表示する用途に最適化されています。一方で、読解で出会った単語を覚える(記憶に定着させる)機能は主要対象にしていません。ツールとしての守備範囲が「素早く引くこと」にある、というイメージです。

解決策の 3 方向

ここから先のユーザーは、3 つの方向に分かれます。

1 つ目は、引いた単語を手動で Anki に転記して、SRS(spaced repetition system、間隔反復)で復習する方向です。最も確実な方法ですが、転記の手間は大きく、続けるには相応の意志が必要です。

2 つ目は、辞書サイトに移行して例文中心の学習に切り替える方向です。辞書引きの速さは犠牲になりますが、例文と一緒に覚えるという別の学習スタイルになります。単語帳アプリの選び方は別記事で扱いました(単語帳アプリおすすめ 2026: 自作派・学習目的別の選び方)。

3 つ目は、辞書とSRS が 1 つのツールで完結する設計のソフトに乗り換える方向です。私自身、最終的に夫と一緒にこのカテゴリのツールを作ることになりました。

物足りない人向けの次のステップ。辞書引き+ SRS が 1 つに統合された immit

immit は、Mouse Dictionary と同じくマウスオーバーで 0.1 秒の単語検索ができる、Chrome 拡張とデスクトップアプリの 2 つで提供される英和辞書ソフトです。Mac、Windows、Linux のデスクトップアプリも用意されており、Chrome 拡張と同じデータで動作します。

Mouse Dictionary との違いは、引いたあとの動線です。ポップアップ内のブックマークアイコンをワンクリックすると、その単語が自分の単語デッキに保存されます。保存した単語は、組み込まれている8 段階の SRS が自動で復習スケジュールを管理します。

無料プランでもアカウント登録なしで始められ、オフラインでも単語検索とSRS復習が動きます。基本の使用感はMouse Dictionaryに近く、軽快さを保ったまま、読解で引いた単語を記憶につなげる仕組みがある、という設計上の違いがあります。

Mouse Dictionary の強みである「軽さ・速さ・Firefox 対応・ミニマル UX」をそのまま欲しい場合は、Mouse Dictionary を使い続けるのが正解です。読解の速度に加えて、引いた単語を記憶に残す構造が欲しくなった場合は、immit を Chrome ウェブストアからインストールしてデスクトップアプリも入れる、という選択肢があります。

乗り換える際の具体的な注意点(ショートカット対応、設定の移行、SRS の立ち上げ方)は、後続記事の Mouse Dictionary から immit に乗り換えるときに知っておきたい 7 つのこと で扱います。

よくある質問

Q1. Mouse Dictionary は無料ですか?

完全に無料です。GitHub で公開されているオープンソースソフトで、Chrome ウェブストアと Firefox add-ons から無料でダウンロードできます。アカウント登録もメールアドレス入力も不要です。

Q2. Firefox でも使えますか?

使えます。Firefox add-ons サイトに公式の Firefox 版が公開されており、Chrome 版と機能は同等です。Windows / Mac / Linux いずれの OS でも、対応ブラウザがあれば動作します。

Q3. カスタム辞書はどこから入手できますか?

開発者さんのQiita や個人 blog で、JSON / CSV 形式のフリーな辞書ファイルが配布されています。ライフサイエンス辞書、英辞郎派生など分野別の選択肢があり、設定画面の「辞書データの読み込み」からアップロードして使えます。

Q4. Mouse Dictionary と immit、どちらを選ぶべきですか?

読解速度を最優先し、ミニマル UX を好み、Firefox 環境が必要な場合は Mouse Dictionary が向いています。読解で引いた単語を確実に覚えたい、SRS で復習を自動化したい、Chrome と デスクトップで同じデッキを使いたい、という場合は immit が向いています。両者を併用するユーザーもいます。

まとめ:Mouse Dictionaryの使い方・設定・カスタム辞書(次の選択肢)

Mouse Dictionary は「軽快な英和辞書」に最適化されたミニマルなツールです。Chrome / Firefox で動作し、無料、アカウント不要、サイトを邪魔しない設計。読解の速度を上げる用途に対しては、現時点で最も完成度の高い選択肢のひとつです。

カスタム辞書を入れると、専門分野の英文読解にも対応できます。ejdict-handの弱点は補える上、設定もそれほど複雑ではありません。

読解中に意味がすぐ分かれば十分、という用途ならMouse Dictionaryで必要十分です。いっぽう、読解から記憶定着までやりたくなったら、引いた単語をSRSで復習できる immit のような一体型ソフトに切り替える選択肢が出てきます。

私自身、Mouse Dictionary を 3 ヶ月使ったあと、最終的に「引いた単語を覚えるためのツール」を作る側に回りました。今振り返れば、Mouse Dictionary に出会っていなければ、読解と記憶の境界がどこにあるかを自分で発見することもなかったと感じます。